マイノリティが見た神々の国・日本

マイノリティが見た神々の国・日本-障害者、LGBT、HIV患者、そしてガイジンの目から-

四六判/上製 ケニー・フリース著 古畑正孝訳
1700円+税

究極のマイノリティによる日本印象記。

原題にある「神々の国」(the Province of the Gods)とは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の著作より引いたものである。ハーンもまた隻眼の人であったが、著者に至っては、身体障害者であり、かつLGBTでもあり、そしてHIV患者であり、さらに日本においてはガイジン(ユダヤ系米国人)として見られ、いわば究極のマイノリティと言っても過言ではない。その著者が、日本では、合理主義の張り巡らされたアメリカ社会ではけして味わうことのできなかった不思議な「居心地の良さ」を感じ、その背景として、日本神話の中には「障害を持つ神」がいることに着目する。そしてこの印象の深層を掘り起こすため、自分と同じく障害を持つ人々や被爆者、著名な通訳者や研究者・芸術家たちと出会い、日本の音楽や演劇、能などを鑑賞し、さらに神社仏閣や庭園等をめぐって全国各地を訪ね歩く。しかしそれは、人生最大の苦難に遭遇し、深い暗闇の中から抜け出すための、癒しの旅でもあったのだ。

プロフィールケニー・フリース(Kenny Fries)

グスタヴス・マイヤーズ人権問題研究所の偏見と人権の研究名作賞を受賞し、ヒューストン・グランド・オペラから委嘱されたオペラ“The Memory Stone”(石の記憶)の脚本を手がける。日米友好基金と全米芸術基金の芸術家交換プログラムのフェローとなり、二度のフルブライト奨学生(日本とドイツ)であり、クリエイティブ・キャピタル、ならびにDAAD(ドイツ学術交流会)、カナダ芸術評議会、オンタリオ芸術評議会、トロント芸術評議会の助成を受けた。ゴダード大学のクリエイティブ・ライティング・プログラムで、MFA(美術学修士)として教鞭をとる。 編著書: ”Staring Back: The Disability Experience from the  Inside Out”(1997)、“Body, Remember: A Memoir”(2003)、  “The History of My Shoes and the Evolution of Darwin’s  Theory”(2007). 詩集に、“Anesthesia”(1996)、“Desert  Walking”(2000)、“In the Gardens of Japan” (2017).

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