佐高信氏推薦
「サービサーという借金取り立て業を通じて浮かび上がる現代日本の闇の深さに、読者は戦慄するだろう。これはまさに問題作だ。」
「サービサー」(債権回収会社)は、あまり聞き慣れない言葉かも知れないが、平成10年に成立した「サービサー法」(債権管理回収業に関する特別措置法)に基づく実在する会社である。サービサー法は、バブル崩壊後の不良債権処理の切り札として成立したもので、この法律によって、従来、弁護士法72条により、弁護士のみに許されていた回収行為が、法務省の許可を受けたサービサーに限って解禁されるようになったのだ。
本書は、かつてサービサーに在職していた元社員が、その驚くべき実態について告発したものである。サービサー法には、反社会的勢力の排除や悪質な回収行為を規制することが明記されているが、それらはしばしば無視され、監督官庁である法務省の監督機能も十全に果たされているとは言えない。
本書は、重要な社会的機能を担っているにもかかわらず、今まであまり取り上げられてこなかったサービサーについて、超リアルに描いたフィクションである。