触常者として生きる

触常者として生きる-琵琶を持たない琵琶法師の旅-

広瀬浩二郎
1400円+税

視覚優位・視覚偏重の社会にもの申す

「触常者」とは、触覚に依拠して生活する人、すなわち視覚障害者を指す。一方、社会のマジョリティである健常者とは、視覚に依拠して生活する人、すなわち「見常者」ということになる。全盲の文化人類学者である著者は、「健常者/障害者」「強者/弱者」「文明/未開」という近代的な二項対立を乗り越え、触常者と見常者の豊かな異文化間コミュニケーションの可能性を提案する。本書で語られる著者自身のユニークな体験談には、「見る・見せる」ことを大前提としてきた現代社会の常識に対する異議申し立てが内包されている。「触」の復権を掲げる「ユニバーサル・ミュージアム」の実践的研究に取り組む著者が、「野生の勘」と「未開の知」をキーワードに、「無視覚流ライフ」の魅力を紹介する。「触常者宣言」の公表から10年。世間の障害観に一石を投じる触常者発の触発の書!

プロフィール広瀬浩二郎

自称「座頭市流フィールドワーカー」。1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。『障害者の宗教民俗学』』(明石書店)、『目に見えない世界を歩く』(平凡社新書)、『さわって楽しむ博物館』編著(青弓社)、『知のスイッチ』共編著(岩波書店)など、著書多数。

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