成年後見制度はなぜしくじったのか

新刊

成年後見制度はなぜしくじったのか

仲島 幹朗
1500円+税

高齢化社会を支えるための制度であったはずが、なぜ?

成年後見制度が揺れている。親族からのクレームの噴出、「親族後見が望ましい」とする最高裁判所から各家庭裁判所への通知(2019年3月19日)、国連による廃止勧告(2022年9月9日)……。我が国は、国連の障害者権利条約を批准しているため、この条約に反する国内法はすべて改正する義務があるのだが、いまだに有効な改善策を打ち出せないでいる。

2000(平成12)年、高い理想の下にスタートしたはずのこの制度が、どうしてこんなことになってしまったのか? 著者は、その要因として、この制度の主たる担い手を、司法書士、弁護士、裁判官など、福祉とは無縁な法律専門職にまかせってしまったことを挙げている。また、成年後見制度には、「報酬」という巨大な利権が存在するが、これをめぐってさまざまな問題が起きている点についても指摘する。

このような状況を踏まえ、長年、成年後見制度の啓蒙・普及につとめてきたNHKも姿勢を改め、「クローズアップ現代」(2022年11月14日放送)では、この制度が抱え持つさまざまな問題点に光を当て、「後見人はつけるべきではなかった」という被後見人の妻の悲痛な叫びに耳を傾けた。

同番組に出演し、この問題提起に積極的にかかわってきた著者が、番組では語り尽くせなかった、この制度の本質と、利権に群がる人々の実態を描く。

プロフィール仲島 幹朗

1958年生まれ。中央大学法学部卒。司法書士、社会福祉士、精神保健福祉士。これまで200件近くの後見人に就任。2022年11月14日、NHK「クローズアップ現代~親の金をどう守る認知症600万人の資産管理トラブル回避術」に出演。 著書:『おひとりさまが死ぬまで自立して生きるための本―成年後見人がいれば大丈夫』(パブラボ)2012(別名義)、『本当は怖い! 成年後見―成年後見人には気をつけろ』(文芸社)2017、『残映-成年後見人が見た、それぞれの人生の「あとじまい」』(文芸社)2019、『落日の彼方に』(文芸社)2023(別名義)

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