点字物語「天の尺」

2019/11/19

11月10日、点字物語「天の尺」というイベントが、東京スカイツリーにて行われ、私も主催者側の一員として参加した。このイベントは、スカイツリーの「天望回廊」という地上450メートルのところに貼り巡らされた、点字による短編小説集を、参加者の視覚障害者が中心となって読み解いていくという試みである。十年以上前に、東京タワーにおいて同様のイベントが行われたが、今回はその第二弾である。点字なので晴眼者には読めないが、グループを作って、視覚障害の人が物語を読み上げ、それをみんなで鑑賞する、といった形で進められていく。点字の打ち込まれた長い長いテープが数十メートルも続き、それにそってぞろぞろと歩く人々の姿は、他の客たちから見れば、異様だけど気になる光景だったかもしれない。実は点字で打ち刻まれた多くの作品群は、今回の企画に合わせて募集されたオリジナル小説であった。

終了後、近くの施設に集合し、感想を語り合った。ここでは、視覚障害者の川島昭恵さんによる、アフターの語りイベントも行われた。川島さんは、定期的に語りのイベントを行っているので、是非一度足を運んで頂きたい。

伏流社の次の企画は、全盲の文化人類学者・広瀬浩二郎先生による「触常者として生きる」という力作である。視覚障害者による触常者という新しいライフスタイルやユニバーサル・ミュージアムという触れて楽しむユニークな博物館について論じている。乞う、ご期待!

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